韓国の祝日と連休 ― 旧正月・秋夕の代替休日と年次有給休暇のしくみ
韓国の休みの取り方は日本とかなり違う。年末年始はほぼ休まず、旧正月(ソルラル)と秋夕(チュソク)に集中して休む。一方で年次有給休暇は日本より制度的に取りやすく、消化できなかった分は原則として手当で精算される(ただし会社が法定の使用促進措置をとった場合、支払い義務は免除される)。在韓日本人にとっては、一時帰国の計画にも実務にも直結する話である。
正月は元日だけ、休みは旧正月に集中する
韓国の新暦の正月休みは1月1日の1日だけ。日本の企業が年末年始に4日から1週間以上休むのとは対照的だ。
そのぶん休みが集中するのが旧正月(ソルラル)で、旧暦の大晦日・元旦・翌日の3日間が公休日になる。秋夕も同じく秋夕の前日・当日・翌日の3日間だ。旧暦に従うため、新暦での日付は毎年動く。
2026年は、旧正月が2月16日〜18日(月〜水)、秋夕が9月24日〜26日(木〜土)。旧正月は前の土日を含めて5連休、秋夕は翌27日(日)を含めて4連休になる。
代替休日は「日曜と重なったときだけ」
ここが日本と違って分かりにくい点だ。韓国にも代替休日(대체공휴일)の制度があるが、旧正月・秋夕については、公休日が日曜と重なった場合にのみ適用される。
つまり土曜と重なっても振り替えられない。三一節・仏誕日・光復節・開天節などは土日いずれと重なっても振り替えられるのに対し、二大名節だけは条件が厳しい。2026年はどちらの名節も代替休日が適用されない。
「連休が何日になるか」は毎年カレンダー次第で変わるため、帰国の航空券を取る前に必ず当年の適用を確認したい。
新暦の正月 ── 挨拶と年末年始の実際
韓国の新年の挨拶は「새해 복 많이 받으세요(セヘ ポク マニ パドゥセヨ)」。直訳すれば「新年、福をたくさん受けてください」で、日本語の「新年おめでとうございます」にあたる。福は「受け取るもの」であり、多く持つものという捉え方が言葉に表れている。ちなみに「よかった」「安心した」という意味で使われる다행(多幸)にも、同じ発想が見える。
仕事納めは12月31日、仕事始めは1月2日が基本だ。ただし在韓日系企業は12月28日か29日に納め、1月3日か4日に始めるところも多い。いずれにせよ年末年始は短い。
ソウルで新年を迎える代表的な行事は、12月31日の夜に普信閣(ポシンガク)前で行われる除夜の鐘とカウントダウンである。人々は近くの鍾路で食事をしてから、23時を過ぎる頃に普信閣周辺へ集まり、年が明けると同時に花火が上がる。終わると三々五々に帰っていく。
ここで在韓日本人がつまずくのが、その時間帯に飲食店もカフェも閉まっていることだ。日本の年末年始の感覚で「このあとどこかへ」と考えても行き先がない。カウントダウンを見るなら、その前に食事を済ませておくのが現実的である。
連休は移動の予約が取れない
旧正月と秋夕には、先祖に祭礼を行うため帰省する人が非常に多い。近年はこれに加えて、数少ない連休に合わせて旅行に出る人も増えた。
結果として航空券も鉄道も早い時期から満席になり、ホテルも埋まる。一時帰国を考えるなら、連休の日程が決まった時点で押さえておくのが現実的だ。
また旧暦の元旦や秋夕当日は休む商店が多く、百貨店も休業する。連休中に韓国で過ごす場合、買い物の予定は前倒しにしておいたほうがよい。
有給休暇は制度上しっかり取れる
公休日の連休は少ない一方、年次有給休暇の付与は法律で明確に定められている。
- 勤続1年未満 ── 1か月皆勤ごとに1日
- 勤続1年以上 ── 年15日
- 勤続3年目以降 ── 2年ごとに1日ずつ加算、上限25日
重要なのは消化できなかった有給は原則として手当(年次休暇未使用手当)で精算されるという点だ。ただし会社が年次有給休暇の使用促進措置(勤労基準法第61条)を法定の手順どおり書面で行った場合、会社に支払い義務は生じない。逆にいえば、その手続きを踏んでいない会社は退職時点で残っていれば精算しなければならない。
そのため企業側も有給の取得に積極的な傾向がある。冬場は少ないものの、夏には1週間程度の「夏休み」を取る人も珍しくない。日本の感覚で遠慮していると、かえって不自然に映ることがある。
連休を韓国で過ごすなら
短い新暦の正月は韓国で過ごし、長い旧正月に一時帰国する——という在韓日本人は多い。ただし連休が3日しかない年は、韓国で過ごす人も増える。
百貨店や商店が休むぶん、伝統行事に触れる機会は多い。南山の韓屋村(南山コル韓屋村)や龍仁の韓国民俗村などでは、名節に合わせた伝統行事が行われる。普段は見られない催しなので、この時期ならではの過ごし方といえる。
よくある質問
Q. 韓国の年末年始は休みがありますか。
A. 1月1日の1日だけです。日本のような年末年始の長期休暇はありません。休みは旧正月と秋夕に集中します。
Q. 名節が土曜と重なったら振り替えになりますか。
A. なりません。旧正月・秋夕の代替休日は日曜と重なった場合のみ適用されます。他の祝日は土日いずれでも振り替えられるため、混同しやすい点です。
Q. 2026年の連休はいつですか。
A. 旧正月が2月16〜18日、秋夕が9月24〜26日です。前後の土日を含めると旧正月は5連休、秋夕は4連休になります。どちらも代替休日は適用されません。
Q. 有給休暇は何日もらえますか。
A. 勤続1年以上で年15日、3年目以降は2年ごとに1日加算され上限25日です。勤続1年未満は1か月皆勤ごとに1日です。
Q. 有給を使い切れなかったらどうなりますか。
A. 原則として手当で精算されます。ただし会社が勤労基準法第61条の使用促進措置を書面で行った場合、支払い義務は免除されます。手続きを踏んでいなければ退職時に残った分も精算対象になるため、企業側も取得を促す傾向があります。


