「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
3月に入ると日本では新年度に向けた就職活動が本格化する。企業説明会やインターンシップの募集が各地で始まり、多くの学生が将来のキャリアに向けて動き出す。その一方で隣国の韓国では、まったく異なる雇用環境のもとで若者たちが厳しい現実に直面している。韓国経営者総協会が2月1日に発表した初任給の国際比較によれば、韓国で大企業に入社した大卒1年目の年俸は日本を41%、台湾を37%上回っていた。協会関係者は、企業が人材獲得競争を繰り広げて年俸を引き上げ続けた結果、人件費の負担が大きくなったと分析する。
だが高給はごく一部の話である。2024年の大卒1年目の平均年俸は日本の3万7047ドルに対し韓国は4万6111ドル。大企業に絞ると日本3万9039ドル、韓国5万5161ドルだ。大企業と平均の差は日本が2000ドル未満なのに対し、韓国では1万ドル近い。20歳から34歳の若年労働者の58.6%が初任給200万ウォンを下回ったという調査もあり、格差は企業規模だけでなく非正規雇用の多さも示している。そもそも韓国には、企業が新卒者を採用して育成するシステムがほとんど存在しない。新卒者を公開募集している大企業はサムスンくらいだ。
一方の日本は大卒就職率が100%近く、団塊ジュニアの定年が迫るなかで人材不足に悩む企業が少なくない。就労ビザを取得して日本で働く韓国人は、2017年の2万人から2023年には7万人へと増えた。従来、裕福な家庭の子女は米国など英語圏に留学してきた。目的はスペックと「脱韓国」である。超学歴社会の韓国では出身大学が人生を左右し、SKY(ソウル大・高麗大・延世大)を目指す中高生は学業漬けの日々を送るだけでなく、良い内申のために日常の素行やボランティアまで完璧を求められる。SKYに入れない子女は英語圏に留学し、海外大学卒という肩書きを手に入れる。子女が現地で就職して市民権を得れば、親が引退後に「ヘル・コリア」を脱出する足がかりにもなる——その進路の選択肢に、いま日本が加わりつつある。
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「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち(特派員・Kaz(佐々木))



